紙にオイルパステル
31.8×40.9cm
一世紀の時間と瞬間の時間
Ⅰ. 有毒な障害物
ウイリアム・グラント・プルモット閣下に、喜んでこの選集を捧げる。これまでに私を驚かせた人物は二人いる:それはルイ11世とウイリアム閣下である。前者は奇妙なまでに善良であったがゆえに、後者は常に不動であったがためである。
ここでルイ11世とウイリアム・グラント・プルモット閣下の名前を口にできるのは、私にとって非常に光栄なことである。
世界のこの広い部分には、たった一人の人間しか住んでいない:一人の黒人である。
彼は笑ってばかりいて、死にそうなほど退屈している。
数千年をへた老樹の影が9時17分をさしている。
すべての者へ。
演奏中に声を出してテキストを読んではならない。これを守れぬ者は、その不遜に対する私の正当な怒りをまぬかれないであろう。
以上、いかなる例外も認めない。
(時間)
聴きなさい。
ヒキガエルが互いの名前を呼び合っている。
(分)
もっとよく考えようと、黒人は右手で小脳をつかんだ。
手の指を広げて。
遠くからみると、まるで著名な生理学者のようである。
名も知れぬ4匹の蛇が、彼の自由を奪う。
苦悩と孤独が一緒になって、変形させてしまった制服のすそにぶらさがりつつ・・・・・。
河のほとりでは古いマングローヴの樹が、汚れを嫌ってその根をゆっくりと洗っている。
Ⅱ. かわたれ(正午の)
太陽は朝早く、上機嫌で昇った。
普段より暑くなるだろう、
何故なら、時は先史時代だし、雲ゆきだってあやしい。
太陽は空の高みにいる;
けっこういいやつみたいだ。
でも、当てにするのはやめよう。
もしかしたら収穫物を焼いてしまうかも知れないし、ひどい一撃を加えるかも知れない―たとえば日射病などの。
納屋の裏では、牛が一匹、病気にかかりそうなほど食べている。
Ⅲ. 花崗岩質の狂乱
古い見捨てられた古い村の大時計も、これまた、大胆な一撃を加えようとしている。
そう、13時を打とうとしているのだ。
ノアの洪水以前の雨が、塵のような雲から降ってくる;
嘲笑的な巨大な森は、互いに枝を引っ張り合い;
ごつごつした花崗岩が押し合いへし合いをしている。
どこにいれば場所ふさぎにならずにすむだろうかと・・・・・。
13時がいま告げられようとしているが、午後1時を代表するような顔つきで。
ああ!だがそれは少しも正当な時間ではない。